今年も、かなでももこの生誕を祝うワンマン公演を開催。今回は、誕生日の2日前となる6月18日に、パセラリゾーツ銀座店 B3Fベノアを舞台に『momoko’s birthday 2017 「おもてなし大作戦!飲んで食べて奏でるちゅーんに酔いしれて…アコースティックナイト☆」』と題して実施。タイトルのようにアコースティックな編制でのライブであり、バイキング形式を取ったディナースタイルで行われた。それこそが、かなでももこ流の「おもてなし」スタイル。
 開場中には,かなでももこが登壇し、乾杯。始まるまでの間、訪れた人たちは豪華な食事を味わっていた。
この日は、「冷めても美味しいオードブル♪ローストビーフと鴨のお肉をリクエスト☆エビアボカドはクリーミーに召し上がれ♪」「ごろごろお肉のお誕生日特製ビーフシチュー!リングイネにかけるなんて、わーお♪オツデスネ!」など、彼女自身が、訪れた人たちに食べて欲しい料理をシェフたちと考案。ファンたちも、目の前に広がった美味しい料理の数々に舌鼓を打っていた。

触れたら壊れそうな儚く繊細な演奏の上にちょこんと座り、みんなへ寄り添うように彼女は歌っていた。その温もりに触れながら、心に暖かな風を感じていた。
 
 今宵のバースデーライブは温かな空気を持って幕を開けた。客席後方から姿を現したかなでももこは、フロアーをゆっくり歩きながらカバー曲を歌いだした。彼女が冒頭で披露したのが、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』。軽快に弾む楽曲を、この日はゆったりとした心地好いテンポのアコースティックスタイルにアレンジ。
優しく弾むアコギとピアノの演奏の上で、想いを噛みしめるように歌った『未来への前奏曲』。触れたら壊れそうな儚く繊細な演奏の上にちょこんと座り、彼女はみんなへ寄り添うように歌っていた。その温もりに触れながら、心に暖かな風を感じていた。
軽快にスキップを踏むピアノとアコギの旋律に飛び乗り、歌も軽やかにスキップを踏み出した。明るく開放的な『Dream on dreamer』だ。いつもは真夏の太陽の日射し降り注ぐよう解放感たっぷりな歌だが、この日は心地好い風も感じながら、暖かな光を全身に浴びるような気分でこの曲を味わえた。
ノスタルジーな香りを乗せ、異世界へ誘うよう流れだした『fragment』。マンドリンの切ない音色とアコギのもの悲しい音が彼女の歌声と重なり、触れた人たちを桃源郷へ導いてゆく。何時しか誰もが彼女の描き出すお伽の国の住人となり、かなでももこに温かな微笑みを返していた。

その曲に触れている間中、色気を持った歌声に刺激され心に淡い火照りを感じていた。

ここからは、「愛の歌」コーナーへ。最初に披露したのが『嘘のない私で』。メロウでスパニッシュな演奏の上で、かなでももこは妖艶さを醸しながら、誘いをかけるよう情熱的に歌いかけた。なんて艶めいた歌だ。昂る感情のまま、彼女は沸きだす恋心をねっとり誘うように歌いかけてゆく。その曲に触れている間中、色気を持った歌声に刺激され心に淡い火照りを感じていた。
続いて披露した『花香鮮夢』では、しっとり響くアコギとヴァイオリンの旋律へ寄り添いながら、遠い過去の記憶を想い辿るよう繊細に歌唱。古(いにしえ)の時に起きた儚い恋物語を今へ甦らせようと、語り部となったかなでももこは悲しきヒロインとなり歌を紡いでいた。
「愛の歌」コーナーの最後に披露したのが、みずから作詞をした『OSeINS』。いつもは激しく迫る楽曲が、この日は力強いピアノの旋律と躍動的なアコギのストロークを背にすることで、秘めた情熱を吐き出すようぶつける歌に昇華。力強さを軸に据えながら、時々抜いた声が響くたびに、心がキュッと疼いていた。まさに、「情熱」という想いをダイレクトに投影した楽曲だ。

急遽ファンたちをステージ前へ呼び入れ、ケーキを囲んでの記念撮影を実施。その緩さが、かなでももこらしさ。

「この曲は愛の歌なんだけど…」と語っていたところ、突然バースデーナンバーが流れだし、かなでももこを祝おうと巨大なケーキがステージ上に運ばれた。予想だにしなかった展開に嬉しい驚きを見せる。せっかくなのでと、急遽ファンたちをステージ前へ呼び入れケーキを囲んでの記念撮影を実施。その緩さが、かなでももこらしさ。

郷愁を呼び起こすマンドリンとアコギの音色へ寄り添うように、かなでももこは家族や友達、大切な人たちへの感謝を綴った、さだまさしのカバー曲『いのちの理由』を想いたっぷりに披露。「私が生まれてきた理由は」と歌うたびに、一人一人が自分の身近な人たちのことを心のスクリーンに映し出していた。

アコギを手にした彼女は、バンドメンバーの二人と3人で『巡想架』を演奏。力強くギターをストロークしながら、かなでももこは秘めた情熱を放つように歌いかけてきた。右手を掻き鳴らし躍動を描いた演奏へ重なるように、かなでももこの熱を込めた歌声も説得力を持って場内へ響いていた。

その歌声は、歌詞の通り「鮮やかに胸に響いて」いた。

ここからは、情熱的な楽曲をラインナップ。性急なテンポを持ってアコギとヴァイオリンの音色が優雅に、でも躍動する姿でせまってきた。言葉を吐き出すように、ロックなモードで『Sing in the dark』を熱唱。何時もよりも抑揚を効かせてるとはいえ、その歌声からは沸き立つ熱があふれていた。

最後は、かなでももこの活動の原点と言うべき『Ocean of lights』だ。駆ける開放的な楽曲が、この日は、秘めた情熱を解き放たずにいれない歌声となって場内中に響いていた。彼女はフロアーへ降り、訪れた人たちの側へ寄り添いながら、エモーショナルな歌声を一人一人の心へ注ぐように歌ってゆく。その歌声は、歌詞の通り「鮮やかに胸に響いて」いた。
                      
これぞ、かなでもも流の「最上級のおもてなし」。

 アンコールで最初に披露したのが、「革命機ヴァルヴレイヴ」のテーマ曲であり、水樹奈々×T.M.Revolutionの歌ったデュエットナンバー『革命デュアリズム』。この日は、臨場感たっぷりのアコースティックなスタイルにアレンジ。かなでももこは終始凛々しい歌声を届ければ、場内からも熱い手拍子が響いていた。

 ここで、かなでももこから嬉しいニュースが届けられた。それが、10月中旬に1stフルアルバム『Lash*energy』の発売だ。7月1日よりアニメイトとゲーマーズでの店頭予約もスタートする。
アルバムのタイトルへ込めた想いについてかなでももこは、「共同作業・共鳴する・相乗効果という意味を持つシナジーという言葉。それらが同調することでもの凄い力を生み出してゆく。さらにシナジーのアナグラムも加え、このタイトルになりました」と語ってくれた。これぞ、かなでもも流の「最上級のおもてなし」だ。

最後は、デビュー曲でありTVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」の4thエンディングテーマ『赤いメモリーズをあなたに』を、みずからもアコギを演奏しながら披露。演奏は、かなでももこのアコギのアルペジオによる弾き語りからスタート。彼女は込み上がる想いを、ひと言ひと言ファンたちの胸へしっかり届けてくれた。一番はかなでももこの弾き語りスタイルで、以降はRookieとムーチョグラシアスも演奏に加わり、哀切な歌へさらに胸を潤す歌声と演奏を重ね、想いをより強く込めて響かせていった。

 彼女は、ワンマンライブごとに毎回新しい挑戦を続けている。次にワンマンを開催するとき、どんな新しいかなでももこの姿を味わえるのか、ますます楽しみになってきた。

TEXT:長澤智典

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セットリスト
『恋するフォーチュンクッキー』
『未来への前奏曲』
『Dream on dreamer』
『fragment』
『嘘のない私で』
『花香鮮夢』
『OSeINS』
『いのちの理由』
『巡想架』
『Sing in the dark』
『Ocean of lights』
-ENCORE-
『革命デュアリズム』
『赤いメモリーズをあなたに』