ベル 2  2月7日(日)に高田馬場AREAを舞台にベルのベーシスト明弥の生誕イベント「ベル明弥生誕主催スリーマン公演『HAPPY BOY2』」が、ゲストにthe Raid.とChantyを迎えて行われた。
 トップを飾ったChantyが、ベルの明弥のため♪HAPPY HARTHDAY♪とメンバー全員アカペラで歌をプレゼント。the Raid.も、「明(弥)おめでthe Raid.」と親しみを込めた言葉を送っていた。
ベル 1 
 満員の観客たちを相手に2バンドの作りあげた熱狂を受け、この日の主役ベルのライブが幕を開けた。
『涙傘』の演奏が降り注いだとたん、会場中の人たちが左右にステップ踏みながら、大きく手を振りはしゃぎだした。切ない歌にも関わらず跳ねた曲調という理由もあるせいか、心のスクリーンへむせび泣く様を映しながらも、身体は揺れずにいれなかった。これぞ、哀切開放浪漫な歌を奏でるベルらしさだ。
ファンキーな音色とビートを携えた『夕立ララバイ』が気持ちを嬉しくはしゃがせてゆく。続けざま”雨”を舞台にした悲しい歌を届け、胸を刹那色に染めながらも、ヴォーカル,ハロの煽りに合わせ、誰もが声張り上げ大きく身体を揺らしていた。躍動する哀愁浪漫な歌世界のなんて心地好いことか。
 哀切な旋律が、力強い演奏へ乗せ凛々しく響きだした。騒ぎたい気持ちに熱いエナジー注ぐように流れたのが『バイバイ』だ。場内のあちこちに全力で飛び跳ねてゆく人たちの姿も。熱狂に溺れたい?!。それなら思いきり溺れれば良い。舞台上から4人が、熱を持ってそう手招きしてくれた。

「たくさんの人たちにお祝いしていただいて、ありがとうございます」と明弥が愛(挨)拶。本番前に明弥は、Chantyの千歳と一緒に滑舌を良くする練習をしていたそうだ。さらに、舞台上ではケーキを出すタイミングの話を本人を目の前にすれば、♪HAPPY BOY♪(=明弥)と短い歌まで披露していた。

続いて、2月17日に発売となる1stアルバム『歌謡サスペンス劇場』の中から『さようなら僕だけの人』をいち早く演奏。昭和歌謡の香りを染み込ませた、なんて哀愁レト(ロ)浪漫な楽曲なんだ。その歌に触れていると心が刹那色に、メロメロに酔ってしまいそうだ。
一転、『ノンフィクション』が飛び出した。縦揺れ横揺れさまざま表情を変えてゆく躍動した演奏に合わせ、観客たちもリズムの波に心地好く飛び乗っていた。大きく手を振りながら笑顔でサビ歌に酔いしれてゆく人たちの表情が、なんてキラキラと輝いていたことか。相変わらず、歌は切ないんだけどね(笑)。

MCを利用し、明弥が「おじさんになってもベースを弾きたいし、ベルを続けたい」と舞台上で宣言。それだけを書くと格好好いが、他に話していたのが、「4GのHAPPY電波を発信している」やら、脈絡の見えない話。その親しみやすさ?!も明弥らしさ。

後半の幕開けを飾ったのは、1stアルバム『歌謡サスペンス劇場』に収録している『RED』。ハロより事前に「頭では、何かを取ろうとするよう手を上げてジャンプして欲しい」「Aメロからはサイドステップを」「サビでは身体を曲げながら手をくるくる振りまわして欲しい」というお願いがあったことから、誰もが初見にも関わらず、激しく疾走した歌謡ロックナンバー『RED』に合わせ、先に記した振りをしながら、熱いエナジー放つ楽曲に嬉しく溺れ続けていた。躍動的な演奏にも惹かれるが、胸をグッとつかむ哀愁浪漫な歌メロへも心が魅了されていた。
メンバーコールのコーナーでは、明弥以外のメンバーが明弥のためにHAPPY BIRTHDAYの歌を次々披露してゆく場面も。さらに、主役の明弥自身が「HAPPY BIRTDAY TO ME」と歌ってゆく姿まで登場。
気持ち騒ぐ楽しさを抱いたまま、演奏は『厚化粧の女』へ。うきうき軽快に弾む演奏に誰もが身を預け次々と大きな手の花を咲かせれば、間奏では、その場でくるくる廻り続けてゆく様も。どんどんフロアーに熱気が集まっていく。騒がずに身体の興奮を抑えるなんて出来やしない。
カラフルな。いや、ギラギラとした妖しく艶めいた演奏が場内中に極彩色の宴を描き出した。誰もがファンキー&ソウルフルな『音見世ディスコ』に合わせ、タオル振りながら♪WOW♪WOWOW♪叫んでゆく。そして…。
最後を飾ったのが、誰もが手拍子しながら身体を激しく揺らし続けた『スローエモーション』だ。サビでは満員の観客たちがタオルや手をぶんぶん振り廻しながら、ウホウホとゴリながら楽しんでいた。天上知らずで上がってゆく熱狂。身体中を包みこんだ火照りは、このままで納まるわけがない…。

アンコールはドラムの正人の歌う、だいぶアレンジされたHAPPY BIRTHDAYの歌に合わせ、明弥が舞台に姿を現した。ベースを手にしたのが、ハロ。センターには、この日主役の明弥が。その編成で演奏したのが、明弥がヴォーカルを担当した『ビードロ』だ。
「この歌をお前に届けるぜー!!」。哀愁歌謡浪漫な楽曲を、攻めゆく姿勢のもと凛々しく歌いあげる明弥。終始動きまわりながら歌っていたのは、緊張を隠すため??。途中、ギターの夢人と絡み合う場面も。ちなみに明弥の左手にはスマホが…。あえてここで使用意図は書きませんけどね(笑)。終盤には、大好きなバンドのヴォーカリストの物真似や声真似も加えて歌う場面も登場。そのはしゃぎっぷりに、明弥の意外性を持った一面を実感。

最後は、会場中の人たちが大きく手の花を咲かせ、熱気あふれた空間の中で跳ね続けた『やってない』だ。サビでのくるくる手の花咲き乱れゆく風景のなんて艶やかなことか。途中、the Raid.から由羽と白鳥姿の一陽、Chantyから千歳と野中拓が乱入。野中拓は明弥に変わってベースを演奏。何時しか場内はグチャグチャな、でも、くしゃくしゃの笑顔で騒ぎ続けた熱狂の宴を作りあげていた。枠を壊したその楽しさこそ、破天荒?!な性格の明弥に似合う風景じゃないか。

最後に、明弥のためにケーキが登場。会場中の人たちからの祝福を受け、さらにメンバーらからの煽りを受け、プレゼントされたケーキを顔面…ならぬ左耳でキャッチ。さらにここで、もう一つケーキが登場。これは、1月30日に誕生日だったthe Raid.由羽のために用意。もちろん彼も顔でケーキを受け取っていた。

明弥の生誕祭を軸に据えながら、ベル/Chanty/the Raid.ともに最後の最後まで仲良い関係のもと楽しんだ今宵のライブ。ファンたちにとっても、メンバーらの無邪気なはしゃぎっぷりが嬉しいプレゼントになったのは間違いない。

                                                      TEXT:長澤智典

――セットリスト――
『涙傘』
『夕立ララバイ』
『バイバイ』
MC
『さようなら僕だけの人』
『ノンフィクション』
MC
『RED』
『厚化粧の女』
『音見世ディスコ』
『スローエモーション』
-ENCORE-
『ビードロ』(明弥ヴォーカル)
『やってない』

ベル Web
http://www.belle-web.info/

★ライブ情報

2/27(土)名古屋ell.SIZE ベル初東名阪ワンマンツアー『THE平成歌謡ワンマンショー~名古屋編~』
2/28(日)心斎橋CLAPPER ベル初東名阪ワンマンツアー『THE平成歌謡ワンマンショー~大阪編~』

グランドファイナル
5/5(木・祝)東京キネマ倶楽部 ベル初東名阪ワンマンツアー『THE平成歌謡ワンマンショー~東京編~ハロ生誕記念』

★リリース情報

2016年2月17日発売
-歌謡盤-
「歌謡サスペンス劇場」
全15曲入り
¥3.000(税別)

-サスペンス盤-
「歌謡サスペンス劇場」
全14曲+MV「さよなら僕だけの人」収録
¥3.500(税別)

「さようなら僕だけの人」MV SPOT