READY TO KISS / SAY-LA / 原宿物語 / 2o Love to Sweet Bullet。それぞれがワンマン展開も定期的に行っている存在だ。4グループとも「NEXT BREAK IDOL」と呼ばれることも多い。メディアがそう煽るのではない。頻繁にアイドルたちのライブ現場へ足を運ぶファンたちの間で気になる存在として、そう呼ばれている。
事実、この4グループが集結したライブのチケットは瞬く間にソールドアウトを記録した。今回用意したチケットは、たったの200枚。プナチナ化するのも当たり前、「限定200名歌舞伎町フェス」と銘打ったこともファンたちの「観たい」意欲を熱く掻き立てた。
12月18日(日)、舞台は新宿HOLIDAY。あえて小箱を用意したのも、各グループの持ち時間を30分と長く設けたのも、少しでも密接した環境の中で「ライブ」らしい熱狂をメンバー/ファンともに…会場を一つに感じ愛(あい)たかったからだ。
外の寒さとは裏腹に、夏のような熱気の籠もった場内。この日のライブの模様を、以下へお伝えしよう。
原宿物語
原宿物語のライブはglobeの『Can’t Stop Fallin’ in Love』からスタート。切ない歌を熱した楽曲へ昇華してゆくように、舞台を目一杯使い躍動的なダンスと力強い歌声を通し、観客らの感情にメンバーらは熱を与えてゆく。パワフルなダンスビートの上で、挑戦的な姿勢を持って原宿物語は『心拍1メートル』を歌いかけてきた。君との僅かな距離の繋がりを愛おしく求められては、熱狂の手を伸ばしたくなるのも当然のこと。激しくパワフルに、挑発的な楽曲とダンスを魅力に彼女たちは『We are ONE』をぶつけてきた。フロアー内に飛び交う絶叫、「叫べー!!」と煽るメンバーたち。すでに場内はバトル状態だ。
ここからはtrfナンバーをメドレー形式で披露。『EZ DO DANCE』や『survival dAnce 〜no no cry more〜』を通し会場中へ「FU~!!」の嬌声が飛び交えば、『masquerade』では哀愁味あふれる歌を届けてきた。とはいえ、切ない歌にパワーを感じるのも若さゆえ。『寒い夜だから…』、さらに『CRAZY GONNA CRAZY』と原宿物語は躍動的なダンスナンバーをノンストップで連発。場内をしっかりダンスフロアーに染め上げてくれた。
原宿物語流EDMナンバー『PARTY ANIMALS』を通し、激しく挑発してゆくメンバーたち。全員が一体化したときの挑戦的な歌声に、今の原宿物語の勢いや攻めの姿勢を感じていた。何より楽曲が攻撃的だけに、身体が熱を求めずにいれなかった。舞台を目いっぱい使い騒ぎ歌う姿はPARTY ANIMALの言葉が相応しい。勢いを加速させるように、原宿に足を運ぶ少女の心模様を歌詞にぶつけた『#ノイジーガール』を熱唱。彼女たちは、今のティーンズたちの気持ちを代弁してゆくリアリストたち?!。 感覚を破壊してゆくEDMサウンドも刺激的だ。
最後は、これまでの熱狂を心地好く昇華するよう軽快な『Breakin’ Through』をハートフルに歌いあげた。今のキッズたちの生々しい、でも、しっかり未来を見据えた気持ちを、原宿物語はEDMスタイルのポップナンバーに乗せ届けてくれた。何より、ほとばしる野生的な若さと躍動が見ててとても眩しかった。
SAY-LA
いきなり胸がドキドキと高鳴りだした。SAY-LAのライブは、ときめきを思いきりハートに注ぎ込むロマンチックな『星に願いを』からスタート。彼女たちの歌に胸をチクチク刺激を受けたファンたちが、歌の掛け合いを絶叫で返してゆく。SAY-LAのライブ、早くも熱が上がりだした。「どうして今も君が好きなんだろう」。全員の想いが一つになった歌声が響き渡る。躍動するダンスビートの上で、切ない乙女の心模様をSAY-LAは『どうしてミレンジャー』へ詰め込んできた。「ねぇ、どうして×3」、切なく胸が痛むのに、身体は騒がずにいれない。ヤバい、今宵もSAY-LAのマジックへしっかり魅了されたようだ。
この場に生まれたのは熱狂の求愛だ。「君が好きです」「俺も!!」の掛け合いも熱い『こじらせ片想い』に合わせ、場内には魂を熱く燃やしながら互いを求めあう想いの交わし愛が生まれていた。爽やかな風を運ぶように『MARIA』が流れ出した。胸を疼かせる泣きなサビメロで心をキュッとつかまれた気分。これぞ正統派なアイドルナンバー。だからこそ、哀愁ロマンチックな歌を全身で受け止めたかった。
駆け上がるギターサウンドが連れ出したのは、胸をワクワとはしゃがせる想い。『1/2×2』が沸き上がるドキドキとした心の音をどんどん増幅させてゆく。爽やかな演奏の上で歌い踊るSAY-LAの姿へ触れている間中、バクバクとしたときとめきの心拍数が上がり続けていた。まるで、愛しい人を心に想い描いているときのように…。
最後を飾った『I LOVE YOU』が作りあげた温かい一体化した気持ち。君への想いを彼女たちは笑顔で告白してきた。その想いに触れてる間中、本気でドキドキが止まらなかった。なんて触れた人たちの心に、愛しくなるいろんな想いを告白してゆくグループなんだ。また今宵もSAY-LAへ熱狂の片想いをしていたようだ。
2o Love to Sweet Bullet
2o Love to Sweet Bullet、通称トゥラブのライブは、影像とサウンドと歌をシンクロさせる刺激的なスタイルで終始繰り広げていたことを、先にお伝えしておこう。
冒頭を飾ったのは、ハイパーEDMナンバーの『はっぴいギャラクシー』。凄まじい勢いで駆け続ける楽曲へ、メンバーたちはキュートな歌声を重ねてゆく。
「もうすぐクリスマスですね。でも私達はこの曲」という「トゥラブ流?」とも言えるリーダーの藤野志穂の言葉で始まった『ハロウィンのスペシャル☆ワン』。言葉通りに場内中の人たちを妖しい舞踏会へ招き入れた。一転、舞台は『ラ☆ブリィズム』により、ポップでカラフルな空間へと切り替わる。トップクラスの美少女軍団に「好き好き大好き」と歌われ「俺もー!!」と想いをぶつけるファンの気持ちも理解できる。
そして、山広美保子の「一人でいる時に、寂しくないですか?、そんなときにこの曲が心に染みます」という曲紹介で『そこで叫んで私に教えてほしい』が始まる。
映像を伴って「寂しくて、切なくて」と歌うその声が、熱狂を描くだけではない、切ない気持ちや壊れそうな心に、トゥラブの歌は痛みを分け合いながら寄り添い、「一人でいるのは寂しいよ」…、「だから一緒に側に居てくれるんだね」と感じさせる。MVを背景に歌ったのは、ポップでラブリーな『日比谷線ダイヤリー』。カラフルなEDMポップに触れていると、心が笑顔に包まれてゆく。
終盤を彩ったのは、2o Love to Sweet Bulletのライブで熱狂を描き続けてきたキラーチューンの『BABY♥KISS』。本番直前まで振り入れだったとの事で、藤野志穂は「途中でとまるかもしれないけど、トゥラブは倒れる時は前のめりと決めていると」いい、リニューアルされたダンスの初披露に踏み切る。華やかな要素を交えた振りへ、視線も一気にロックオン。スリリングで刺激的なダンスビートが身体に響き渡る。ラストは「トゥラブと一緒に前のめりになって走りましょう」と、再び「前のめり」という言葉を使い「フランス語で広くて大きな道」という意味の『ブールバール』を紹介する。スペイシーなエレクトロポップチューンにメンバーも観客たちも飛び乗り、終始心地好く身体を揺らし続けていた。
キュートなルックスを最大の武器として快進撃を続ける2o Love to Sweet Bulletだが、今宵は、ビートの效いた攻めの姿勢からキュートなポップワールド、スケールあふれたフワフワチューンと多彩な楽曲の表情が会場を甘美な熱狂に巻き込んだ。そして、何よりも失敗に尻込みしない果敢なチャレンジに「お見事!」という言葉を送りたい。
READY TO KISS
トリを飾ったREADY TO KISSのライブは、切ないロマンチックさを携えた『君恋』から幕を開けた。熱狂するファンたちとは裏腹に、想いをしっかり胸に抱きしめながら歌うメンバーたち。心痛む、とても切ない恋心。だからこそ「恋してる」秘めた想いを告白したくて、彼女たちは苦しむ心模様のままに歌いかけてきた。
今宵のREADY TO KISSのライブは物語を綴ってゆくように楽曲を並べていた。想い(演奏)を止めることなく、ステージは『見つめられない』へ。大好きな人への気持ちが膨らんでゆく様を、READY TO KISSはロックテイストを抱いた躍動ナンバーへ乗せ歌いかけてきた。膨らみ、あふれだす感情をすべて告白しなきゃこの身が壊れそうと言わんばかりに、彼女たちは高鳴る想いを歌声とダンスにぶつけていた。キラキラとした輝きを放つ楽曲。でも彼女たちの歌声には切ない色も。終わった恋が忘れられなくて胸がキュッと締めつけられるように『永遠に』が響いてゆく。なんて心を痛く疼かせるステージだ。熱狂するファンたちとは裏腹に、今宵のメンバーたちは恋の悲劇抱える少女として、心の慟哭を揺れる感情のままに歌いあげていた。
物語は一転、心地好く跳ねる演奏に合わせメンバーや観客たちが手拍子をしながら笑顔ではしゃぎだした。『世界一のクリスマス』が触れた人たちの心に最高のハッピーを注ぎ込んできた。ワクワクとはしゃぐ気持ちが止まらない。一緒に笑顔で戯れたい。ロマンチックでラブリーな物語から離れたくない!!。ただただ熱した声を上げ続けていたい。途中、メンバーから客席へプレゼントが次々投げ込まれていたのも、ファンには嬉しいサプライズだったに違いない。
熱した魂、まさに気分は『ムテキモード』だ。彼女たちの「好きです」の告白を全身で受け止めては、会場中の人たちが想いを絶叫に変え舞台上に投げ返していた。互いの気持ちを裸にぶつけあったとき、そこには誰にも負ける気のしない無敵な熱狂が生まれてゆく。きらめくハートのドキドキが止まらない。最後に届けた『STAR LIGHT~星色のこの気持ち、空に映れ~』まで、この日のREADY TO KISSは大人の恋心をいろんな場面と心模様を通し描き出していた。「欲しいものこの気持ち」、いや、欲しいのはREADY TO KISSのキラキラと輝く美しい乙女な気持ちだったよ。
この豪華な4グループは、来年もいろんな形で手を繋ぎながら「ワクワク」を仕掛けてゆくらしい。今後どんな形でその姿を映し出してゆくのか、4グループの動向をそれぞれ追いかけながら、彼女たちの動きを楽しみに見ていて欲しい。
PHOTO:Yusuke HOMMA
TEXT:長澤智典
READY TO KISS
http://www.ready-to-kiss.jp/
SAY-LA
http://www.say-la.jp/
原宿物語
http://harajukumonogatari.jp/
2o Love to Sweet Bullet
http://sweetbullet.club/
─セットリスト─
原宿物語
『Can’t Stop Fallin’ in Love』
『心拍1メートル』
『We are ONE』
『EZ DO DANCE』
『survival dAnce 〜no no cry more〜』
『BOY MEETS GIRL』
『survival dAnce 〜no no cry more〜』
『masquerade』
『寒い夜だから…』
『CRAZY GONNA CRAZY』
『PARTY ANIMALS』
『#ノイジーガール』
『Breakin’ Through』
SAY-LA
『星に願いを』
『どうしてミレンジャー』
『こじらせ片想い』
『MARIA』
『1/2×2』
『I LOVE YOU』
2o Love to Sweet Bullet
『はっぴいギャラクシー』
『ハロウィンのスペシャル☆ワン』
『ラ☆プリィズム』
『そこで叫んで私に教えてほしい』
『日比谷線ダイヤリー』
『BABY♥KISS』
『プールパール』
READY TO KISS
『君恋』
『見つめられない』
『永遠に』
『世界一のクリスマス』
『ムテキモード』
『STAR LIGHT ~星色のこの気持ち、空に映れ~』