コンセプトシングル『CIRCUS CIRCUS』を手にスタートした全国ツアー、そのファイナル公演でありバンドの初ライブの日に当たる5月31日に、THE BEETHOVENはTSUTAYA O-WESTの舞台に立っていた。『THE BEETHOVEN 4th Anniversary ONEMAN「Classical×Circus」』と題し、彼らは4年間の歩みを、この日の舞台に描き出そうとしていた。

さぁ、今宵のサーカスの幕開けだ。

福助。の歪みを上げたギターの旋律が合図だった、重厚な音が場内を支配すると同時に、楽曲は『The Greatest Party』へ。これから始まる物語へ向け、THE BEETHOVENは荘厳な音物語を突き付け、訪れた観客たちを臨戦態勢へ備えさせてゆく。次第に唸りを上げる演奏、何時しか場内は、その場で大きく飛び跳ねる観客たちの姿が支配していた。
さぁ、サーカスの幕開けだ。『Sorrow The CLOWN』を合図に、THE BEETHOVENが設えた幻夢な宴が始まった。ズシッと染み込む重量感を抱いた音が、身体を心地好く刺激してゆく。マコトの歌をリードに、誰もが今宵のサーカス小屋の演目に嬉しい期待を寄せていた。
序盤を彩る演目は常に闇を抱えていた。現世を忘れろと言わんばかりに『Burlesque Script』か場内中へ響き渡る。背負った心の痛みを、彼らは熱した音を通し溶かしてゆく?!。いや、もっともっと色濃く塗りたくってゆくようにさえ、この時点では思えていた…。

小屋へ訪れた人たちを彼らは演目を担う最高のキャストに変えてゆく。これは、参加型のサーカスだ。

「今宵は、サーカスへようこそ。今日は穏やかな気持ちのもと、始動したTSUTAYA O-WESTの場で4周年を迎えることが出来ました。最後までサーカスを楽しんでください」(マコト)                                       
マコトの言葉を合図に、次の演目へ。激しいギターの音が炸裂すると同時に、楽曲は嵐を巻き起こすよう重く轟きだした。ザクザクとした音を突き付け、『騒乱カオティックシンフォニー』が意識の螺子を歪ませていく。猛り狂うんだとけしかけるように、THE BEETHOVENは早くも牙を剥いて襲いかかってきた。
アラビアンな世界へ誘うように鳴り響くミネムラアキノリのギターの旋律。妖しい毒牙へ犯され、徐々に身体が熱を帯びてゆく。流れだしたのが『メドゥーサ』だ。毒が身体中を駆け巡ると同時に、演奏も一気に加速。妖しい色香に冒され意識が混沌していく。
華やかな宴へ誘うように、デジタルな音が場内を飛び交いだした。マコトの叫びを合図に、演奏は激烈ダンスロックな『L・S・L・G』へ。激しく躍動する音が、妖しい光渦巻く奈落のパーティ会場へ観客たちを引きずり込んでゆく。だったら一緒に堕ちて騒ごうじゃない。意識をトリップさせるダンスナンバーへ脳味噌蕩けさせ酔いしれようじゃないか。

福助。の弾く歪む旋律の上で、マコトはファルセット声を響かせていた。走り出した演奏。誰もが幻想トリップナンバー『Fragment of Resplendent』へ身を預け、微睡みながら心地好く身体を揺らしていた。とても気持ちを蕩けさせる歌と演奏だ。感覚がどんどん白く染まってゆく。音楽でトリップするとは、こういう恍惚な感情を言うのだろう。
猛獣を引き連れ場内を派手に行進するよう『MiND Theater』が流れだした。気持ちをはしゃがせる演奏に導かれ、何時しか会場中の人たちがTHE BEETHOVENの呼びかけたパレードへ参加していた。動物や演者たちと一緒に行進しながら、今宵のパーティを無邪気な笑顔で楽しんでいた。そう、これは参加型のサーカスだ。この小屋へ訪れた人たちも、彼らは演目を担う最高のキャストに変えてゆく。
パレードは、まだまだ続く。ウキウキと胸を弾ませる『LazyLady』に身を預け、一緒に踊ろうじゃないか。現世を忘れ、この空間に現れた楽園の中、ともに騒ぎ続けよう。ニヤニヤとした笑顔が止まらない、軽快に弾む演奏に刺激された身体の疼きを止めたくない。

このサーカスは、嬉しい眩暈を覚えさせる。不思議な狂熱のサーカスに魅せられ、何時しか意識の螺子は完全に狂っていた。

「4年前、SHIBUYA O-WESTでスタート、大切な日にふたたびここでワンマンが出来るのは本当にありがたいこと。もっともっと盛り上がっていくのでついてきてくれますか!!」(マコト)

後半の演目は、マコトと観客たちの声の掛け合いからスタート。場内を怪しい桃源郷へ塗り変えようと、THE BEETHOVENは『BLACK』を突き付けた。「YEAH OH!」「OH YEAH!!」のやり取りを続けながら、彼らは、観客たちの熱い感情をグイグイ引きずり出してゆく。
マコトの絶叫を合図に『モノローグ-my heart-』へ。鮮やかな輝きを放ち進む演奏。その華やかな空気とマコトの煽りに導かれ、身体を心地好く揺らし続けていたい。ふたたび会場中を巻き込み産まれたパレート。気持ちを高ぶらせる演奏に刺激を受け、誰もが熱くステップを踏み続けていた。
「もっとイケるだろう!!」、煽るマコトの声が引き金だった。解放感満載な『Wounderful World』が熱く激しく駆けたとたん、今宵のサーカスへ華やかな熱狂の花を添えるように、会場中の人たちが手バンやへドバンをしながら暴れだした。。
カラフルなパーティへさらに熱を注ぐよう、THE BEETHOVENは感情のストッパーを破壊する激烈ナンバー『激パレ』をぶつけてきた。全身を思いきり震わせ暴れないことには、高ぶった感情を放熱しきるなんて不可能だ。暴れ狂え、それが今宵のサーカスを楽しむ最高のスパイスだ。

「声、出していけ!!」、ダークてラウドな衝撃が身体中をハンマーで叩くように刺激していく。『”全部間違いなんだ、答えなど何処にも無い。”』が暴れ狂えと煽りだす。誰もが拳を突き上げ、頭を振り乱し、熱狂へ共に参加していた。みずからも意識を興奮と一緒にトリップさせてこそ、この演目が成立すると言わんばかりに。
この興奮と恍惚を何度も輪廻させるよう、最後にTHE BEETHOVENは『輪廻LINE』を演奏。意識がどんどん堕ちてゆく。いや、混沌としながらも恍惚に導かれ昇天してゆく気分だ。このサーカスは、嬉しい眩暈を覚えさせる。不思議な狂熱のサーカスに魅せられ、何時しか意識の螺子は完全に狂っていた。その歪んだ興奮が、たまらなく心地好かった。

集まったエリーゼ(ファン)たちと心と心でハグしながら、5人はあふれる想いを歌い奏で、サーカスの幕を閉じていった。

THE BEETHOVENは9月13日にYURAサマの●歳の誕生日を祝うバースデーライブを池袋サイバーで行うことを発表。マコトとYURAサマの戯れたトークに続き、アンコールでTHE BEETHOVENは『エリーゼ』を披露。
ドラマチックで華やかな三拍子の演奏の上で、支えてくれる愛しき人たちへの想いをマコトは暖かく歌いかけてきた。集まったエリーゼ(ファン)たちと心と心でハグしながら、5人はあふれる想いを歌い奏で、サーカスの幕を閉じていった。

 この日は、ライブ後にOUTSTORE EVENTという形を取り、BRAND Xの矢田康平店長を迎えトークライブを行った。内容は、見た人だけの特典にしておこう。
トークライブ後には、-PREMIUM ENCORE-を実施。披露したのが、5人メンバーになって初めて形にした『奏想曲』。刹那で耽美で妖しく華激さを抱いたこの歌こそ、まさにザ・ヴィジュアル系ナンバーだ。最後に、THE BEETHOVENはゴシックシンフォニア/躍動メロウな『心臓』を演奏し熱狂を描き、今宵のサーカスの宴を閉じていった。

TEXT:長澤智典

THE BEETHOVEN Web
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