世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパン(https://www.expedia.co.jp)。同社が、12月10日(月)に世界各国の有識者男女を対象とした「有給休暇に関する国際比較調査」の記者発表会を開催した。
                                             「エクスペディア・ジャパン」が10年間続けてきた有給休暇の調査。これは、働きすぎの日本人に少しでもリフレッシュして欲しい想いから。

まずは、「有給休暇・国際比較調査2018」調査結果発表及びエクスペディア・ジャパンによる驚愕の有休取得支援キャンペーンの発表」として、エクスペディア・ジャパン代表である石井恵三氏による調査結果の発表およびエクスペディア・ジャパンの取り組みについて語られた。
 2018年度の有給休暇の調査報告として述べたのが、過去10年間、有給休暇の消化率が日本は世界でもほぼ最下位に位置づいていること。今年も日本は、有給休暇の取得率では最下位。欧米諸国やラテンアメリカなどは有給をほぼ使い切っているのに対して、日本の会社員は有給休暇をほぼ半分程度しか使っていないのが現状だ。
 日本人が有給休暇を取らない一番の理由が、「人手不足」。とはいえ、本当の理由は、会社を休むことに対する罪悪感が何よりも大きいこと。海外の人たちは、休むことを自分の権利としてしっかり主張している。つまり、「休まないのが日本人の美徳」という考え方が、有給休暇を消化できない大きな弊害になっている。
日本に於ける世帯別には、若い人たちのほうが休み不足を感じでいるが、同時に、罪悪感を覚えるのも若い世代。日本の会社は上司が休みを取得するのにも非協力的ゆえに、若い人たちが休みを取りにくくなる環境も生まれている。そこは海外のほうが寛容なように、もっと海外を見習うべきと石井恵三氏はアドバイスをしてくれた。
 日本人は休日でも働く人たちが多い。仕事と休みをしっかり分け隔てることが、日本の社会でも大切になってゆくことも伝えていた。
海外は、とくにブラジルなどラテンアメリカは長い休暇を取る傾向が強い。日本の休暇はとても短いのも現実だ。だからこそ、自分の意識を高めるうえでも海外旅行を経験したりなど、非現実をもっと体感すべきとも石井恵三氏は語っていた。
日本人は、とにかく休まない人種。休みに罪悪感を覚えるのは、日本人の特色。働きすぎの日本人だけに、もっと休みを取ってリフレッシュすべき、「日本人にも休暇と旅行を!」と石井恵三氏は語っていた。

 続いて、「日本の有給休暇取得・労働環境」に関するプレゼンテーションを、株式会社ワーク・ライフバランス/ワーク・ライフバランスコンサルタントの堀江咲智子さんが実施。

日本人が有給休暇を取らない理由や、仕事に気持ちを向けてしまうのは、「自分にしか出来ない」という専門性を持つことや、その専門性に対する責任感がのしかかってくることから。そのためにも、仕事をチーム内で共有や分担、分散をすべきと提案。それによって、一人が休暇を取っても他の人が対応できれば、それによって各自のスキルもアップしていく。その結果、誰もが休暇を取りやすくなるとも提言してくれた。

仕事こそ何よりも大事と、家庭をかえりみずに働き続けてきたがむしゃらな世代と、仕事よりも友人や恋人との関係を大切にする若手世代。とくに今の若手は、自分たらの親を反面教師として捉えているように、「休み」の捉え方の価値観も変わってきているようだ。
                                          
その後、フリーアナウンサーの神田愛花さんをゲストに迎え、石井恵三・堀江咲智子・神田愛花・村井晶奈(司会)の4人で「どうすれば有給休暇を取得しやすくなるかについてのトークセッションを行った。その内容を以下へ、簡潔にまとめあげた。

 4人のトークは、日本と海外の有給休暇の取得率の差や、上司と部下、とくに世代間での感覚の違いに驚いた感想から始まった。海外は有給休暇とは別に病気でも休めるが、日本人は自分の病気を有給に当ててしまう傾向も強い。
 とかく日本人は休みに対して罪悪感を覚えさせてゆく傾向が強い。それが、仕事としての責任感という言葉にすり替えられてゆく傾向もあるようだ。そのためにも専門性を分散し、
全員が平等で休める環境を作ることや、その仕事をチーム内で分担出来る環境作りこそが大切とも語り合っていた。
 休むことで仕事がまわらないではなく、休むことで仕事のチャンスが増える。専属ではなく、誰もが専門性を持てるようになることで、チーム力や、新たな発想力も生まれてゆく。とくに海外ではその傾向が強いように、日本でもその環境を取り入れていくべきではないかとも提案していた。

エクスペディア・ジャパンの社員の8割は有給休暇を使い切っているとも報告。社長自身が、2-3週間の京都休暇を積極的に取得している。仲間が休みを取ることで、それぞれが専門性を可視化していけることが、そのまま生産性にも繋がることも同社は体現している。出張にプライベートをくっつけてゆくブレジャーというスタイルも、対談では積極的に推していた。

日本人はとにかく働きすぎ。もっと休んで遊ぶことが大事。むしろ、それが一人一人働く人の可能性や成長度、生産性もアップしていくことを、今回の報告や対談を通して教えられた。

TEXT:長澤智典

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